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はじめまして。同室なんだね。よろしく。
おはよう、今日もいい天気だね。おつかれさま。じゃあまた明日。おやすみ。
おはよう。けっこう食べるんだね。このプリンあげよっか。ありがとう。お礼にタルトでも作るよ。ダイエット中なんだよね。そうか、食べたいものがあったら言ってくれ。持つべきものは親友だね。
おはよう。なんだか顔色が悪いよ。ちゃんと寝てるの。一応な。部活は休むことにするよ。
おはよう。昨日も遅くまで仕事してたよね。まぁな。さっきも大変だったね。あぁ。寮長のことはオレにまかせて、さっきの子に声かけたげて。いつもありがとうな。オレたち親友じゃん。
おはよう。開けるよ。あれ。ベッドで寝ないと風邪ひくよ。頭がぼうっとする。マジか。副寮長がこんなんじゃ、みっともないな。そんなことないよ。今日は休みなよ。
おはよう。具合どう。助かったよ。お前に助けられてばっかりだ。今度からは倒れる前に休むこと。善処するよ。
いい加減にしろ。ひとりで抱えるな。オレに頼れって何度も言ってるじゃん。それともオレは頼りないってこと。違うよ。そんなんじゃない。そうじゃないんだ。
なんとかなったね。あぁ。死ぬかと思った。本当にな。庭ボロボロだね。気が遠くなる作業だな。やっと言えたね。そうだな。後輩ちゃんにお礼しないとね。返しきれないな。
おはよう。このドーナツあげる。いいのか。バラしたヤツが言うかっての。すまんすまん、悪気はなかったんだよ。
おはよう。こないだのキッシュ、パーティーの時にも作ってよ。もちろんだ。口にあったみたいでよかったよ。
おはよう。部活終わったあと空いてるか。うん。薔薇の迷路に来てくれないか。どうしたの、あらたまっちゃって。
おはよう。おはようって。まったく、聞こえてるくせに。
おはよう。あのなぁ、挨拶ぐらいしてくれ。あとはいいから。あの時言ったことほんとなの。あぁ本当だ。嘘だ、しんじられない。そんなくだらない嘘つくと思うのか。思わないけど。俺は本気だよ。ゆっくり考えてくれ、待ってるから。
おはよう。まだ起きないのか。うん。先に食堂行ってるな。うん。休むなら教えてくれ、連絡しとくから。うん。
おはよう。ねぇ、教えて。なんだ。オレよくわかんないんだよね。何が。オレはどうしたいのか。焦らなくていいさ。そのうち好きじゃなくなるかもよ。それはない。卒業しちゃうかもよ。それからだって待つ。おじいちゃんになっちゃうかもよ。待つよ。オレに恋人ができちゃうかも。それは落ち込む。あはは、そっか。
おはよう。晴れてよかったね。あぁ、それにあまり混んでなくてよかったな。ここ来てみたかったんだよね。え、ちょっと、手。いいだろ、付き合ってるんだから。ほんと、しょうがない奴。
おはよう。おはよ。起きれるか。無理。喉渇いたな。うん。声やば。水持ってくる。今日は昼まで寝てようか。
おはよう。連絡するよ、毎日。うーん、毎日は期待しないで。休みの日は電話しような。うん。会いに行くからな。無理しないで。無理じゃないさ。
そういえば面白いことがあってな、って聞こえてるか。あ、ごめん、もうそろ眠いかも。そうか、じゃあそろそろ切るよ。次の休みは決まってるのか。あー、二週間後とかかも。わかんない。働かされすぎじゃないのか。大丈夫、意外とタフだから。寝るね、おやすみ。
おはよう。やっと休み合わせられたね。昨日は楽しみで寝られなかった。遠足前の子供じゃん。だって。ふふ、オレも楽しみだったよ。素直じゃないな。うっさい。
おはよう。トーストでいいか。うん。紅茶淹れるね。よろしく。あ、茶葉もうない。ジャムとバターももうすぐ切れるな、食べたら買いに出よう。
おはよう。おはよ。手。は、なにこれ。びっくりしたか。するよ。聞いてくれるか。はい。これからも隣にいてほしい。一緒に生きていって、くれませんか。ロマンチストだなぁ、ほんと。泣くなよ。泣いてないし。
最高にキマってるね。お前も最高にかっこいいぞ。みんなの顔見て泣かないようにね。その言葉、そっくりそのまま返すよ。あ、姉ちゃん達はもう泣いてるかも。俺の親もそんな気がするよ。ちょっといいか。何かついてんの。いや、そうじゃなくて。
いろいろあった。長かったような短かったような気もする。数えきれないぐらい喧嘩したし、うまくいかないこともあったな。別れそうにもなった。多分俺が先に謝るほうが多かったと思うけど、いやそれは嘘かもしれない、すまん、正直覚えてないんだ。記憶に残ってるのは笑ってる顔がほとんどだから。
これから長い人生の中でも、そうして生きていけたらいい。特別なことはいらなくてさ、なんでもない時間を過ごすとき、隣にいてほしいし、隣にいたい。
俺は今、初めて会ったときみたいな気持ちでいるんだ。いちばん最初にお前と話したときの。だからとても緊張してる。笑うなよ。これでもだいぶ真剣なんだ。
五年、十年、何十年。できるだけながく。
いずれ年をとって、はじめましてがまた必要になってしまったとしても。
そしていつの日か、さようならを言うときが来るとしても。